スペイン北部のサンティアゴ・デ・コンポステーラを目指すカミーノ巡礼をした体験を、レゾナンスCafe Vol.017『カミーノ〜スペイン巡礼の報告』でお話しいただいた小柳晶嗣さんが毎年のように通っている旅館大沼が中心となり、東鳴子温泉で「潟沼お鉢巡り＆奉納演奏・潟沼龍神祭り」がおこなわれます。
そのお祭りではレゾナンスCafe Vol.053「人のウチソトに遍満するスイッチ」でお話しいただいた那須勲さんが依代の制作をなさるそうです。依代とは、お祭りなどで神様が依り憑く対象物であり、お正月などに飾る門松は歳神様の依代です。このお祭りで祀られる龍神様のための依代となるのでしょう。
旅館大沼の御主人である大沼伸治さんは、かつてあった湯治の伝統を重んじ、その形態を旅館に残すとともに、現代の人々にあった湯治とは何かを模索しながら経営していらっしゃいます。その背景には、小柳さんや那須さんも惹かれる何か大切なものがあると思われます。
龍神祭りがおこなわれる潟沼は湖底から熱泉が湧き出ており、強酸性湖のため、ほとんど魚が棲みつかず、伝説では龍神が主(あるじ)だといわれ、湖畔には龍神様の祠があるそうです。そこで龍神様を祀るための奉納神楽が行われます。宇佐見仁さん（うた舞、剣の舞）、中村香奈子さん（龍神、横笛）、テオヘイズさん（三味線、現代美術）が奉納演奏なさいます。そのときに、依代として作られた那須さんの作品に龍神様が降臨し、その場がどのような神域になるのか楽しみです。
テオヘイズさんは現代美術家で、2014年にパリや南仏で個展を開催されて以来、各所で展覧会をおこない、2021年には兵庫県立美術館で「鬼の回帰・テオヘイズ展」という大きな展覧会を開催した新進気鋭のアーティストです。宝生明は「ONI」をテーマとした作品群に惚れています。津軽三味線の演奏家でもあり、今回も奉納演奏をなさり、作品の展示もあるそうです。
潟沼お鉢巡り＆奉納演奏・潟沼龍神祭りの概要は以下の通りです。
潟沼お鉢巡り＆奉納演奏
開催日
2022年9月21日（水）
時間
9：30～12：00
場所
潟沼周辺
内容
「奉納演奏」 龍笛と三味線と舞を潟沼の龍神に奉納する。
龍笛 中村香奈子、うた舞 宇佐美仁、三味線 テオヘイズ
「潟沼登拝」 新しくできた潟沼登山道をたどり登拝する。
ガイド 鳴子温泉もりたびの会 齋藤理
料金
奉納演奏のみ参加 お一人2,000円
奉納演奏参加+潟沼登拝 お一人5,000円（ガイド付き、保険料込み）
主催
潟沼龍神祭実行委員会
潟沼龍神祭り
開催日
2022年9月21日（水）
時間
開場18：00 開演18：30（21：00終了）
場所
旅館大沼 山荘 「母里乃館」
内容
潟沼龍神を里に招き、音楽や舞、アートを奉納して地域の人とともに祝う。
笛 中村香奈子、うた舞 宇佐美仁、三味線・現代美術 テオヘイズ、宝寿悉皆師 那須勲
料金
お一人 11,000円（直会、食事代込）
主催
香風舎 協力：東北経済産業局、㈱大沼旅館 協賛：㈱オメダム・ピュア
旅館大沼のサイトにこの祭りに対する思いが以下のように書かれています。
万物の源である水を司る「水神様」の御眷属と言われる龍神様。
鳴子の温泉の起源とも言われる潟沼にも昔から龍神様の小さな祠があります。たまにお参りに行くと供え物がしてあり、今でも潟沼の龍神様を信仰している人々がいることがうかがわれます。
残念なことに数年前には、御神木とおもわれる赤松の大木も枯れてしまい、入り口の鳥居も朽ちてしまっています。
このたび、不思議なご縁が重なり素晴らしい芸術家の皆さんと知り合うことができ、何かこの潟沼の龍神様のためにできることはないだろうかと話し合いをしている中から、潟沼の龍神様を祀る潟沼龍神祭の企画が生まれました。
昨年には潟沼のお鉢をめぐる道もできましたので、新たな祈りの道としての潟沼お鉢めぐりを「もりたびの会」の齋藤さんのガイドにより行います。
さらに夜には、龍神様を里に招き、龍笛や三味線など、舞などで神楽の宴を催し地域の皆さんとともに祝います。潟沼が爆発でできた837年から1185年目となる2022年。
あらためて潟沼に棲む精霊をお祀りし、混乱が続く現代社会が少しでも鎮まりますよう、皆様とお祈りしたいと思います。※潟沼での奉納演奏で皆様からいただく参加費は、朽ちた鳥居を新しく建てる資金にあてさせていただきます。
皆様の御参加をお待ちしております。潟沼龍神祭実行委員会 大沼伸治
世の中にはたくさんの問題が生まれていますが、そのような問題を祓い清めるためには、このような各人・各所・各団体の営みが大切なのだと思います。
ぜひ興味のある方はご参加ください。
旅館大沼のサイトにある「潟沼お鉢巡り＆奉納演奏・潟沼龍神祭り」の紹介ページはこちら。お申し込み用のメールフォームがございます。